ウェブサイトの問い合わせを増やす方法|原因の見つけ方と改善策
この記事の要点
- 問い合わせが増えない原因は「見つけてもらえない」「伝わらない」「行動しにくい」のどこかにあります。
- 改善の前に、問い合わせを正しく計測できているかを必ず確認します。
- 多くの場合、記事を増やすより先に、サービスページと問い合わせへの導線を見直すほうが効果的です。
- 事例やよくある質問は、比較・検討している人の不安を減らし、問い合わせの後押しになります。
- 改善は、影響の大きさと着手のしやすさで優先順位を決め、結果を確認しながら進めます。
問い合わせが増えない原因
ウェブサイトの問い合わせが増えない原因は、大きく「見つけてもらえない」「伝わらない」「行動しにくい」の3つの段階に分けられます。どの段階で人が離れているかによって、取るべき対策はまったく変わります。
問い合わせに至るまでの3つの段階
- 01見つけてもらう検索・広告・紹介などで、サイトに訪れてもらう
- 02理解してもらうサービスの内容・対象・違いを理解し、候補に入れてもらう
- 03行動してもらう問い合わせ・資料請求・相談の申し込みをしてもらう
見つけてもらえない
そもそもサイトへの訪問が少ない状態です。検索結果に表示されていない、表示されてもクリックされない、といった原因が考えられます。社名を知っている人しか訪れないサイトでは、新しい問い合わせは生まれにくくなります。
伝わらない
訪問はあるのに、サービスページが読まれていない、または読まれても問い合わせに進まない状態です。次のような原因がよく見られます。
- サービスの説明が抽象的で、何をしてもらえるのか分からない
- 誰を対象にしたサービスなのかが書かれていない
- 進め方や期間、費用の考え方が分からず、相談してよいか判断できない
- 他社との違いや、実績が伝わらない
- サイトの情報が古く、今の会社の姿と合っていない
行動しにくい
問い合わせをしようと思っても、その方法が分かりにくい状態です。問い合わせボタンが目立たない、フォームの入力項目が多すぎる、送信後に何が起こるか分からない、といった原因があります。
問い合わせを増やす前に確認すること
改善に取りかかる前に、現状を数字で確認できる状態にしておくことが大切です。現状が分からないまま改善すると、何が効いたのかも、効かなかったのかも分かりません。
問い合わせを正しく計測できているか
まず、問い合わせの数を正しく数えられているかを確認します。アクセス解析ツール(Googleアナリティクスなど)で、フォームの送信完了を「キーイベント」として計測しておくと、どのページを経由した人が問い合わせたかを追えるようになります。
よくあるのは、送信完了ページの表示回数を数えているつもりが、ページの再読み込みなどで重複して数えているケースです。実際に届いた問い合わせの件数と、計測上の件数が大きくずれていないかも確認してください。
どの段階で人が離れているか
次の数字を確認すると、詰まっている段階が見えてきます。
| 確認する数字 | 確認できること | 主な確認方法 |
|---|---|---|
| 検索結果での表示回数・クリック数 | 見つけてもらえているか | Search Console |
| サイトへの訪問数 | 訪問が十分にあるか | アクセス解析ツール |
| サービスページの閲覧数 | サービスまで見てもらえているか | アクセス解析ツール |
| 問い合わせページへの到達数 | 問い合わせを検討した人がいるか | アクセス解析ツール |
| 問い合わせ数 | 実際に行動した人の数 | 計測と実件数の両方 |
たとえば、訪問は多いのにサービスページの閲覧が少ない場合は、サービスページへの導線に問題があります。問い合わせページへの到達は多いのに問い合わせが少ない場合は、フォームに問題がある可能性が高いと考えられます。
問い合わせの内容はどうか
数だけでなく、届いている問い合わせの内容も確認します。自社に合わない相談ばかりであれば、数を増やすより、サービスの対象や条件を明確にすることが先です。
問い合わせを増やす方法
問い合わせを増やす方法は、詰まっている段階ごとに異なります。ここでは、BtoB企業のサイトで効果が出やすい方法を、段階に沿って紹介します。
段階ごとの主な改善策
- 見つけてもらう検索で探される言葉に合わせたページ作り、既存ページの技術的な問題の解消
- 理解してもらうサービスページの充実、事例・よくある質問の整備、情報の更新
- 行動してもらう問い合わせへの導線の見直し、フォームの改善、相談の入口の追加
1. サービスページを充実させる
BtoBのサイトで最初に見直したいのが、サービスページです。比較・検討している人は、サービスページで「自社に合うか」「相談する価値があるか」を判断します。次の情報が書かれているかを確認してください。
サービスページに書いておきたい情報
- どんな課題を持つ企業に向けたサービスか
- 具体的に何をしてもらえるのか、何が受け取れるのか
- どのような順序で進むのか、期間の目安はどう決まるのか
- 費用の考え方(料金、または見積もりの決まり方)
- 他社との違い、自社が得意とすること
- 相談の前に用意しておくとよいもの
特に、費用や進め方が書かれていないと、検討している人は「相談したら営業されるのでは」と不安になり、問い合わせをためらいます。すべてを公開できない場合でも、費用がどう決まるかの考え方だけでも書いておくと、相談のハードルが下がります。
2. 事例とよくある質問を整える
導入事例は、「自社と似た企業が、どんな課題をどう解決したか」を示す情報です。比較・検討している人にとって、サービスの説明以上に判断の材料になります。顧客名を出せない場合でも、業種や規模、課題、取り組みの内容を書くことで参考になります。
よくある質問は、問い合わせの前に生まれる小さな疑問に答えるページです。営業の場でよく聞かれる質問をそのまま載せると、相談前の不安を減らせます。
3. 問い合わせへの導線を見直す
ページを読んだ人が、迷わず問い合わせに進めるように導線を見直します。
- 各ページの最後に、次に取るべき行動を示すボタンを置く
- 記事の内容に合わせて、関連するサービスページや相談への案内を置く
- 問い合わせボタンの文言を、「お問い合わせ」だけでなく「無料で相談する」など具体的にする
特に、記事から問い合わせへの導線は見落とされがちです。記事を読んだ人が抱えている課題に合わせて、案内の内容と置く位置を変えると、問い合わせにつながりやすくなります。
4. フォームを改善する
問い合わせフォームは、最後の関門です。次の点を確認してください。
- 必須項目が多すぎないか
- スマートフォンで入力しやすいか
- エラーが起きたとき、どこを直せばよいか分かるか
- 送信後に、いつ・どのように連絡が来るかが書かれているか
- 個人情報の扱いが明記されているか
5. 相談の入口を増やす
「問い合わせ」はハードルが高いと感じる人もいます。資料のダウンロード、無料相談、簡単な診断など、検討の段階に合わせた入口を用意すると、まだ検討の初期にいる人とも接点を持てます。
6. 情報を更新し続ける
最終更新日が何年も前のサイトや、古い実績しか載っていないサイトは、「今も活動しているのか」という不安を与えます。会社の成長や新しい取り組みに合わせて、情報を更新し続けることが大切です。
7. 検索で見つけてもらえるページを作る
訪問そのものが少ない場合は、検索で見つけてもらうための取り組みが必要です。見込み顧客が課題を調べるときに使う言葉を調べ、その疑問に答えるページを作ります。SEOの基本的な考え方は「SEOとは」で解説しています。
BtoBサイトならではのポイント
BtoBのサイトは、一般消費者向けのサイトとは、問い合わせに至るまでの過程が異なります。次の特徴を踏まえて改善すると、効果が出やすくなります。
検討する人が1人ではない
BtoBの取引では、情報を集める担当者と、最終的に判断する決裁者が別の人であることがよくあります。担当者は、サイトで集めた情報を社内で説明し、上司や関係部署の了承を得る必要があります。
そのため、サービスの概要や費用の考え方、導入までの流れを、社内で共有しやすい形でまとめておくことが有効です。資料のダウンロードや、要点をまとめたページを用意しておくと、社内での検討が進みやすくなります。
検討の期間が長い
BtoBの取引は、情報収集から問い合わせまでに時間がかかることが一般的です。初めてサイトを訪れた日にすぐ問い合わせる人は多くありません。何度かサイトを訪れ、比較・検討を重ねてから問い合わせに至ります。
その間に繰り返し訪れてもらえるよう、記事や事例など、検討の段階ごとに役立つ情報を用意しておくことが大切です。
問い合わせの後の対応も見られている
問い合わせへの返信の早さや内容も、比較の材料になります。フォームの送信後に、いつ・どのように連絡するかを明記し、その約束を守ることが、商談へのつながりを左右します。
改善でよくある失敗
問い合わせを増やす取り組みでは、手間をかけたのに成果が出ない、という失敗がよく起こります。代表的なパターンを知っておくと、同じ失敗を避けられます。
原因を確かめずにサイトを作り直す
問い合わせが少ないからといって、原因を確かめずにサイト全体をリニューアルするケースです。見た目は新しくなっても、サービスの説明や導線が変わらなければ、問い合わせは増えません。リニューアルの前に、どの段階で人が離れているかを確認してください。
アクセス数だけを目標にする
アクセス数を増やすために、事業と関係の薄い記事を増やしてしまうケースです。アクセスは伸びても、自社の顧客になりにくい人ばかりでは、問い合わせは増えません。
一度にたくさん変えすぎる
複数の改善を同時に行うと、どの改善が効いたのか分からなくなります。特にアクセスが少ないサイトでは、変化の原因を見極めにくくなります。影響の大きいものから順に、結果を確認しながら進めましょう。
計測しないまま改善を続ける
問い合わせの計測ができていないまま改善を続けると、成果が出ているのかどうか判断できません。改善の前に、必ず計測の状態を確認してください。
改善の優先順位の決め方
改善策が多く見つかったときは、「影響の大きさ」と「着手のしやすさ」の2つの軸で優先順位を決めます。
改善策の優先順位の考え方
- 問い合わせの計測の修正
- 問い合わせボタン・導線の見直し
- サービスページへの情報の追加
- フォームの入力項目の見直し
- 導入事例の取材・制作
- 検索で見つけてもらう記事の制作
- 相談の入口(資料・診断など)の追加
- サイト構造の見直し
一般的には、問い合わせに近い段階の改善ほど、早く効果を確認しやすい傾向があります。訪問がある程度あるサイトであれば、新しいページを作るより先に、既存のページと導線を見直すほうが効率的です。
進め方は次のとおりです。
問い合わせ改善の進め方
- 01計測を整える問い合わせを正しく数えられる状態にする
- 02詰まりを特定するどの段階で人が離れているかを確認する
- 03優先順位を決める影響の大きさと着手のしやすさで並べる
- 04改善して確認する1つずつ改善し、変化を確認して次へ進む
問い合わせを増やす取り組みは、一度で終わるものではありません。確認と改善を繰り返すことで、少しずつ成果が積み上がっていきます。
社内で手が回らない場合は、外部の専門家と分担する方法もあります。依頼先の選び方は「SEOコンサルの選び方」で解説しています。
よくある質問
問い合わせを増やすには、まずアクセス数を増やすべきですか。
必ずしもそうではありません。アクセスがあっても問い合わせにつながっていない場合は、サービスページの内容や問い合わせへの導線に原因があることが多いです。まずは、どの段階で人が離れているかを確認してから、アクセスを増やすべきかを判断してください。
問い合わせフォームの項目は、少ないほど良いですか。
入力の負担は減りますが、少なければ良いとは限りません。対応に必要な情報が足りず、やり取りが増えることもあります。必須項目は最小限にし、詳しい内容は任意項目にするなど、負担と必要な情報のバランスを考えてください。
改善の効果は、どのくらいで分かりますか。
アクセス数や改善の内容によって変わります。アクセス数が少ないサイトでは、問い合わせの増減が偶然によるものか判断しにくいため、一定の期間をとって確認します。問い合わせ数だけでなく、ページの閲覧や問い合わせボタンのクリックなど、途中の行動もあわせて見ると判断しやすくなります。
問い合わせの数より、質を上げたい場合はどうすればよいですか。
サービスの対象や提供条件、費用の考え方をページに明記することが効果的です。自社に合わない相談が減り、検討が進んだ状態の相談が増えやすくなります。
出典・参考資料
- SEO スターター ガイド(Google 検索セントラル)
- 有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成(Google 検索セントラル)
- Search Console の概要(Search Console ヘルプ)
- イベントにキーイベントとしてマークを付ける(アナリティクス ヘルプ)
- Web Vitals(web.dev)