SEOコンサルの選び方|失敗しないための判断基準
この記事の要点
- SEOコンサルを選ぶときは、まず「何を任せたいか」と「社内で何ができるか」を整理します。
- 判断基準は、目的の共有、説明の分かりやすさ、実行範囲、成果の測り方、手法の健全さなどです。
- 順位の保証、手法を説明しない、提案が画一的、といった業者は避けるべきです。
- 面談では、過去の事例、成果の測り方、作業内容の報告方法を必ず確認します。
- 調査の段階では、Search Consoleの権限を読み取り専用に限定しておくと安全です。
SEOコンサルとは
SEOコンサルとは、企業のサイトが検索エンジンで見つけられ、成果につながるように、調査・改善提案・実行支援を行う専門家や会社のことです。
ひとくちにSEOコンサルと言っても、提供する内容は会社によって大きく異なります。調査と提案だけを行う会社もあれば、記事の制作やサイトの修正まで担う会社もあります。選ぶ前に、どんな種類の依頼先があるかを知っておくと、比較がしやすくなります。
依頼先の主な種類
| 種類 | 主な特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| SEOコンサル会社 | 調査・戦略・改善提案が中心。実行は社内や制作会社が担うことが多い | 社内に実行できる担当者や制作会社がいる |
| 制作会社・Web制作会社 | サイトの制作や改修と合わせてSEOに対応する | サイトのリニューアルを予定している |
| コンテンツ制作会社 | 記事や事例などの制作が中心 | 書くべきテーマは決まっていて、制作の手が足りない |
| フリーランス | 個人で調査から実行まで幅広く対応することがある | 範囲を限定して、柔軟に依頼したい |
どれが良い・悪いではなく、自社に足りないものを補える依頼先かどうかが判断の軸になります。
SEOコンサルに依頼できること
Googleは、SEO業者が提供する主なサービスとして、次のようなものを挙げています。
- サイトのコンテンツや構成の見直し
- ホスティング、リダイレクト、エラーページなど、サイト開発に関する技術的なアドバイス
- コンテンツの開発
- オンラインでのビジネス促進キャンペーンの管理
- キーワードに関する調査
- SEOのトレーニング
- 特定の市場や地域に関する専門知識
実際の依頼内容は、大きく「調査・診断」「戦略・計画」「実行」「測定・報告」の4つに分けられます。
SEOコンサルに依頼できる業務の範囲
- 01調査・診断サイトの技術面、コンテンツ、競合の状況を調べる
- 02戦略・計画狙う検索語句、作るページ、優先順位を決める
- 03実行ページの改善、記事の制作、技術的な修正
- 04測定・報告成果を確認し、次の改善を提案する
注意したいのは、「調査・診断」と「戦略・計画」だけで止まってしまうケースです。改善案のレポートを受け取っても、社内に実行する人がいなければ、サイトは何も変わりません。自社の体制で実行まで進められるかを、依頼前に確認しておく必要があります。
SEOコンサルを選ぶ前に整理すること
SEOコンサルを比較する前に、まず自社の目的と体制を整理しておきます。これがないと、提案の良し悪しを判断できません。
何を増やしたいのか
SEOで増やしたいものを決めます。BtoB企業であれば、問い合わせ、資料請求、商談などが候補です。「アクセス数を増やしたい」だけでは、事業につながらない提案を受け入れてしまうおそれがあります。
社内で何ができるのか
次のような点を確認しておくと、依頼すべき範囲が見えてきます。
- サイトの更新は、社内でできるか、制作会社に依頼しているか
- 記事やページの原稿を書ける人はいるか
- Search Consoleやアクセス解析ツールを設定しているか
- SEOの施策について、社内で判断できる人はいるか
何を判断材料にするのか
依頼先から報告を受けたとき、何を見て判断するかを決めておきます。検索順位、表示回数、クリック数、問い合わせ数など、目的に合った指標を選びます。
依頼前に社内で整理しておきたいこと
- SEOで増やしたいもの(問い合わせ・商談など)が決まっている
- 依頼したい範囲(調査だけか、実行まで含むか)が決まっている
- サイトの更新方法と、更新できる担当者が分かっている
- Search Consoleとアクセス解析ツールの所有者が自社になっている
- 成果を判断する指標と、確認する時期の目安がある
SEOコンサルの選び方
SEOコンサルは、実績の多さや知名度だけで選ぶと失敗しやすくなります。自社の目的に合っているか、説明が誠実かという観点で比較することが大切です。次の6つの基準で確認してください。
1. 自社の事業に関心を持っているか
良いSEOコンサルは、提案の前に、自社の事業や顧客について質問します。Googleも、SEO業者が会社とビジネスに関心を持っているかを確認するよう勧めています。事業の独自性、競合、顧客がどのように自社を見つけるかについて質問しない業者は、画一的な提案になりがちです。
2. 施策の理由を分かりやすく説明できるか
「この施策で、何がどう改善するのか」を、専門用語に頼らず説明できるかを確認します。Googleは、SEO業者の推奨事項が公式のガイダンスに沿っているか、根拠を示しているかを確認するよう勧めています。理由を説明しない、または「独自のノウハウなので説明できない」という業者には注意が必要です。
3. 実行まで支援できるか
自社に実行する人がいない場合は、記事の制作やページの修正、制作会社への指示まで担える依頼先を選びます。逆に、社内に実行できる体制がある場合は、調査と戦略に強い依頼先のほうが合うこともあります。
4. 成果の測り方が自社の目的と合っているか
検索順位だけを報告する依頼先と、問い合わせや商談へのつながりまで確認する依頼先では、改善の方向が変わります。報告書のサンプルを見せてもらい、何を成果として扱っているかを確認してください。
5. 手法が健全か
Googleのスパムに関するポリシーに違反する手法を使う業者に依頼すると、サイトの評価が下がったり、検索結果から削除されたりする危険があります。Googleは、どの業者を選ぶかは最終的に依頼する側の責任になるとして、業者の支援内容を正確に把握しておくよう注意を促しています。
6. 担当者と連絡がとりやすく、作業内容を共有してくれるか
誰が担当し、どのように連絡をとり、どんな頻度で報告を受けられるかを確認します。サイトに加えた変更を、進んで説明してくれるかどうかも重要です。
信頼できる依頼先と、注意すべき依頼先
- 検索順位の保証をうたう
- 手法の説明を避ける
- 事業について質問せず、どの会社にも同じ提案をする
- 検索順位だけを成果として報告する
- できること・できないことを明確にする
- 施策の理由を根拠とともに説明する
- 事業・顧客・競合について質問してから提案する
- 問い合わせや商談へのつながりまで確認する
契約形態の種類と確認点
SEOコンサルの契約形態は、主に「月額の継続契約」「スポット契約」「成果報酬型」の3つです。どの形態が合うかは、依頼したい範囲と社内の体制によって変わります。
| 契約形態 | 主な内容 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 月額の継続契約 | 調査・改善・測定を継続して行う | 毎月の作業内容と、報告の形式 |
| スポット契約 | サイトの診断や、特定ページの改善など範囲を限定して行う | 納品物と、納品後の実行を誰が担うか |
| 成果報酬型 | 決められた成果に応じて費用が発生する | 何を成果とするか、その定義が自社の目的と合うか |
月額の継続契約
SEOは、確認と改善を繰り返すことで成果が積み上がる取り組みです。継続して支援を受けたい場合は、月額の契約が一般的です。毎月どんな作業が行われ、何が報告されるのかを、契約前に具体的に確認しておきましょう。
スポット契約
まず現状を把握したい場合や、サイトのリニューアルに合わせて一時的に支援を受けたい場合に向いています。診断のレポートを受け取った後、誰が改善を実行するのかを決めておかないと、レポートだけで終わってしまいます。
成果報酬型
成果が出たときだけ費用が発生するため、一見するとリスクが低く見えます。ただし、成果の定義が検索順位だけになっていると、事業と関係の薄い語句で順位を上げても費用が発生することがあります。成果の定義が、問い合わせや商談など自社の目的と合っているかを必ず確認してください。
費用の金額だけで比較すると、依頼できる範囲の違いを見落としがちです。同じ金額でも、提案だけの契約と、実行まで含む契約では、得られるものが大きく違います。
依頼で失敗しやすいパターン
SEOの依頼で失敗する原因の多くは、依頼先の能力よりも、依頼前の確認不足にあります。よくあるパターンを知っておくと、同じ失敗を避けられます。
順位の保証を信じてしまう
Googleは、Googleで一番上に掲載されることは誰にも保証できないとしています。「必ず1位にします」「Googleと特別な関係がある」といった説明をする業者は避けてください。
レポートだけ受け取って何も変わらない
改善案のレポートを受け取ったものの、社内で実行できずに終わるケースです。依頼前に、誰が実行するのかを決めておく必要があります。
アクセスは増えたが、問い合わせが増えない
事業と関係の薄い検索語句の記事ばかり増えると、アクセスは伸びても問い合わせにつながりません。目的が問い合わせであれば、問い合わせにつながる検索語句やページを優先してもらうよう、最初に合意しておきます。
アカウントを依頼先に預けたままになる
Search Consoleやアクセス解析ツールのアカウントを依頼先が作成し、自社に所有権がない状態で契約が終わることがあります。データを失わないよう、アカウントは必ず自社が所有者になっておきましょう。
面談で確認すべき質問
候補が絞れたら、面談で次の質問をしてみてください。答えの内容だけでなく、説明の分かりやすさや誠実さも判断材料になります。
SEOコンサルとの面談で確認したい質問
- 過去の作業のサンプルや事例を見せてもらえるか
- Google検索の基本事項に沿った手法を使っているか
- 期待できる結果と、その時期、成果をどう測るか
- 自社と近い業種・規模での支援経験はあるか
- 誰が担当し、どのように連絡・報告するか
- サイトに加えた変更と、その理由を説明してもらえるか
- 依頼する範囲(調査・計画・実行・測定)のどこまでを担当するか
これらの質問の多くは、Googleが「SEO業者に対する効果的な質問の例」として挙げているものです。質問に対して具体的に答えられない場合は、ほかの依頼先も検討することをおすすめします。
依頼前のチェックリスト
最後に、契約前に確認しておきたい項目をまとめます。
SEOコンサルとの契約前に確認すること
- 依頼する範囲と、社内・制作会社との役割分担が明確になっている
- 成果を判断する指標と、報告の頻度・形式が決まっている
- 検索順位の保証や、不自然なリンク獲得などの提案が含まれていない
- Search Consoleとアクセス解析ツールの所有者が自社になっている
- 契約期間と、途中で見直す時期が決まっている
- 契約終了時に、作業記録と変更履歴を受け取れる
SEOコンサルは、自社の代わりにSEOを「やってくれる」存在ではなく、自社の目的を一緒に実現するパートナーです。依頼先に任せきりにせず、目的と判断基準を自社で持っておくことが、成功への近道です。
SEOの基本から確認したい方は「SEOとは」を、生成AIへの対応もあわせて検討したい方は「LLMOコンサルの選び方」をご覧ください。
よくある質問
SEOは外注せずに社内でできますか。
できる部分は多くあります。Googleも、小規模な事業者は作業の多くを自分で行えるとしています。社内に担当者を置ける場合は、基本的な作業は社内で行い、判断が難しい部分や手が回らない部分だけを外部に任せる方法もあります。
SEOコンサルに依頼すると、どのくらいで成果が出ますか。
サイトの状態や競合、依頼する範囲によって変わるため、一律の期間はありません。依頼前に、どの指標をいつ確認するのかをコンサル側に説明してもらい、合意しておくことが大切です。
成果報酬型の契約は避けるべきですか。
一概には言えませんが、何を成果とするかの確認は必須です。検索順位だけを成果とする場合、事業と関係の薄い語句で順位を上げても成果扱いになることがあります。成果の定義が、自社の目的と合っているかを確認してください。
依頼先を変えるとき、注意することはありますか。
これまでの作業内容と、変更したページや設定の記録を受け取っておきましょう。Search Consoleやアクセス解析ツールのアカウントは、自社が所有者になっていることを確認してください。
出典・参考資料
- SEO 業者の利用を検討する(Google 検索セントラル)
- SEO スターター ガイド(Google 検索セントラル)
- Google 検索の基本事項(Google 検索セントラル)
- Google 検索のスパムに関するポリシー(Google 検索セントラル)