LLMOコンサルの選び方|依頼前に確認すべき判断基準
この記事の要点
- LLMOは新しい分野で、依頼先によって提供内容や考え方が大きく異なります。
- 判断基準は、観測方法の説明、成果の定義、根拠の示し方、実行範囲、SEOとのつながり、誠実さの6つです。
- 「AIでの推奨を保証する」「llms.txtを置けば十分」といった提案には注意が必要です。
- AIの回答は変動するため、条件を揃えて繰り返し確認する方法を説明できる依頼先を選びます。
- 依頼前に、自社の正しい会社情報・サービス情報を社内で揃えておくと、支援の効果が高まります。
LLMOコンサルとは
LLMOコンサルとは、ChatGPTなどの生成AIの回答で、企業が正しく説明・紹介されるように、現状の調査や情報の整備を支援する専門家や会社のことです。GEO対策、AIO対策、AI検索対策などと呼ばれることもあります。
LLMOは新しい分野のため、依頼先によって提供する内容も、考え方も大きく異なります。同じ「LLMO対策」という名前でも、AIの回答を確認するだけのサービスから、サイトの改修や外部情報の修正まで担うサービスまであります。
LLMOそのものの考え方は「LLMOとは」で解説しています。
依頼先の主な種類
| 種類 | 主な特徴 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| SEO会社・SEOコンサル | SEO支援の延長としてLLMOに対応する | AIの回答を確認する方法を持っているか |
| LLMO専門の支援会社 | AIの回答の調査と改善提案が中心 | サイトの改善や実行まで支援できるか |
| 広報・PR会社 | 外部メディアへの露出や情報発信に強い | 自社サイトの情報整備まで見ているか |
| ツール提供会社 | AIの回答を自動で計測するツールを提供する | スコアの意味と限界を説明できるか |
どの種類が優れているということはありません。自社に足りないのが「現状の把握」なのか、「情報の整備」なのか、「実行する人手」なのかによって、合う依頼先が変わります。
LLMOコンサルに依頼できること
LLMOコンサルに依頼できる業務は、大きく「現状の確認」「原因の特定」「情報の整備」「再確認」の4つに分けられます。
LLMOコンサルに依頼できる業務の範囲
- 01現状の確認主要な生成AIで、自社の説明・紹介のされ方を確認
- 02原因の特定誤りや不足の原因になっている情報源を探す
- 03情報の整備自社サイトの更新、外部掲載の修正依頼
- 04再確認同じ条件で回答の変化を確認する
現状の確認
主要な生成AIに、自社名やサービス名、業界での比較質問などをして、回答を確認します。確認する観点は、主に次の3つです。
- 指名: 会社名やサービス名で聞いたとき、正しく説明されるか
- 比較: 「〇〇のおすすめは?」などの質問で、紹介されるか
- 引用元: 回答の根拠として、どのサイトの情報が使われているか
原因の特定
回答に誤りや不足がある場合、その原因になっている情報源を探します。自社サイトの古いページ、外部サイトの古い掲載情報、自社サイトに必要な情報が書かれていないことなどが、よくある原因です。
情報の整備
会社情報やサービスページ、よくある質問などを更新します。外部サイトに古い情報が載っている場合は、掲載元への修正依頼も行います。
再確認
情報を整えた後、同じ条件で回答を再確認し、変化を記録します。生成AIが新しい情報を反映するまでには時間がかかることがあるため、継続的な確認が必要です。
依頼を検討すべきタイミング
LLMOコンサルへの依頼は、AIの回答に明らかな問題が見つかったときだけでなく、自社の情報が大きく変わるタイミングでも検討する価値があります。
AIの回答に誤りや古い情報がある
生成AIに自社名を質問したとき、事業内容や所在地、サービス内容が誤っている、または古い情報のまま答えられる場合です。営業の場で顧客から「AIではこう書いてあった」と言われるようになったら、早めに対応したほうがよいサインです。
比較の質問で自社が挙がらない
「〇〇業界でおすすめの会社は?」といった比較の質問で、競合は紹介されるのに自社が挙がらない場合です。原因が自社サイトの情報不足なのか、外部での言及の少なさなのかを切り分ける必要があります。
事業やサービスが大きく変わった
社名の変更、移転、新サービスの開始、事業の転換などがあった場合です。Web上には古い情報が残りやすく、AIの回答にも反映され続けることがあります。変更のタイミングで、自社サイトと外部の掲載情報をあわせて整えておくと、誤った説明が広がるのを防げます。
サイトのリニューアルを予定している
サイトの作り直しは、情報を整理し直す良い機会です。リニューアルの設計段階から、AIに正しく読み取ってもらうための情報の整理を組み込んでおくと、後から直す手間が減ります。
依頼前に整理しておくこと
LLMOコンサルに依頼する前に、自社の正しい情報を社内で揃えておくと、支援の効果が高まります。AIに「何を正しく伝えたいのか」が決まっていなければ、回答の誤りを判断することもできないからです。
依頼前に社内で揃えておきたい情報
- 正式な会社名・読み方・所在地・事業内容
- サービスごとの対象・内容・提供条件・費用の考え方
- 比較されやすい競合と、自社との違い
- 公開してよい実績・事例の範囲
- AIの回答で、特に誤解されると困る点
あわせて、LLMOで何を実現したいのかも整理しておきます。「自社名で聞かれたときに正しく説明されたい」のか、「比較の質問で紹介されたい」のかで、取り組む内容が変わります。
LLMOコンサルの選び方
LLMOコンサルを選ぶときは、新しい分野だからこそ、説明の誠実さと根拠の確かさを重視します。次の6つの基準で比較してください。
LLMOコンサルを選ぶ6つの基準
- 観測方法AIの回答の変動を前提に、条件を揃えて確認する方法を説明できるか
- 成果の定義何が変われば成果とするのかが、自社の目的と合っているか
- 根拠の示し方提案の根拠として、公式のガイダンスや観測結果を示すか
- 実行範囲提案だけでなく、サイトの更新や外部情報の修正まで支援できるか
- SEOとのつながり検索エンジン向けの取り組みと矛盾しない提案になっているか
- 誠実さできないこと・保証できないことを、はっきり伝えるか
1. 観測方法を説明できるか
生成AIの回答は、同じ質問でも毎回少しずつ変わります。1回だけ質問した結果をもとに「御社はAIに紹介されていません」と判断するのは危険です。どのAIサービスで、どんな質問を、どんな条件で確認するのか。回答の変動をどう扱うのか。こうした観測の原則を説明できるかを確認してください。
2. 成果の定義が自社の目的と合っているか
LLMOの成果として何を見るのかを確認します。自社名での説明の正確さ、比較質問での紹介、引用元の変化、問い合わせへの影響など、何を成果とするかで取り組みの方向が変わります。
3. 提案の根拠を示すか
Googleは、SEO業者がAI機能(AEOやGEOとも呼ばれる)向けの最適化を提案する場合、その内容がGoogleの公式ガイダンスに沿っているかを確認するよう勧めています。提案に対して「なぜそれが有効なのか」を、公式の情報や実際の観測結果で説明できるかを確認してください。
4. 実行まで支援できるか
AIの回答の調査レポートを受け取っても、サイトの情報を直さなければ回答は変わりません。社内に実行できる人がいない場合は、原稿の作成やサイトの更新、制作会社への指示まで支援できる依頼先を選びます。
5. SEOの取り組みと矛盾しないか
Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるために、追加の要件や特別な最適化は必要ないとしています。これまでのSEOの基本が、そのまま有効だということです。SEOの基本を無視した提案や、SEOの取り組みと矛盾する提案には注意してください。
6. できないことをはっきり伝えるか
AIの回答で自社が必ず紹介されるようにすることは、誰にもできません。保証できないこと、効果が確かめられていないことを、正直に伝えてくれる依頼先を選びましょう。
注意すべき提案
LLMOは新しい分野のため、効果が確かめられていない手法や、誤解を招く提案も見られます。次のような提案を受けたときは、根拠を確認してください。
注意すべき提案と、確認すべき点
- AIでの推奨・紹介を保証する
- llms.txtを置けば対策は完了とする
- AI専用の特別なマークアップで推奨されるとする
- AI向けのページを大量に作る
- ツールのスコアだけで良し悪しを判断する
- 保証できる根拠は何か
- どのAIサービスが実際に利用しているか
- 公式のガイダンスに沿っているか
- スパムに関するポリシーに違反しないか
- スコアは何を測り、どんな限界があるか
推奨・紹介の保証
生成AIの回答は、質問の仕方や時期、利用するサービス、ユーザーの設定によって変わります。「必ずAIに推奨されます」という約束には根拠がありません。
llms.txtだけで完了とする提案
llms.txtは、サイトの概要や重要なページの場所をAI向けにまとめるファイルとして提案されている形式です。ただし、すべてのAIサービスが利用しているわけではありません。Googleも、AI機能に表示されるために、AI向けのテキストファイルや特別な構造化データを作る必要はないとしています。設置そのものは問題ありませんが、それだけで対策が完了するわけではありません。
AI向けページの大量生成
AIに読ませることを目的に、内容の薄いページを大量に作る提案にも注意が必要です。読み手にとっての価値がないページを大量に作ることは、検索エンジンのスパムに関するポリシーに違反するおそれがあります。
robots.txtの一律ブロック
AIによる学習を避けたいという理由で、AI関連のクローラーを一律にブロックする提案もあります。しかし、学習用と検索用のクローラーが分かれているサービスもあります。たとえばOpenAIは、検索用のクローラー(OAI-SearchBot)をブロックしたサイトは、ChatGPTの検索回答に表示されなくなるとしています。用途を確認したうえで判断してください。
面談で確認すべき質問
候補が絞れたら、面談で次の質問をしてみてください。新しい分野だからこそ、答えの具体性と誠実さが判断材料になります。
LLMOコンサルとの面談で確認したい質問
- どのAIサービスで、どんな観点の質問を確認するか
- 回答の変動を、どのように扱うか
- 何が変われば成果とするか、どのくらいの間隔で確認するか
- 提案の根拠として、何を示してもらえるか
- サイトの更新や外部情報の修正まで支援できるか
- SEOの取り組みとの関係をどう考えているか
- 保証できないこと、効果が確かめられていないことは何か
依頼前のチェックリスト
最後に、契約前に確認しておきたい項目をまとめます。
LLMOコンサルとの契約前に確認すること
- 自社の正しい会社情報・サービス情報が社内で揃っている
- 確認するAIサービスと質問の観点が合意されている
- 成果として何を見るか、確認の頻度が決まっている
- 保証できないことについて説明を受けている
- サイトの更新や外部情報の修正を、誰が担当するか決まっている
- SEOの取り組みや制作会社との役割分担が明確になっている
LLMOは、AIの仕組みを攻略する特別な施策ではありません。自社の正しい情報を、人にもAIにも読み取れる形で公開し続ける取り組みです。その考え方を共有できる依頼先を選ぶことが、遠回りに見えて確実な方法です。
SEOの依頼先選びについては「SEOコンサルの選び方」で解説しています。
よくある質問
LLMOとSEOは、別々の会社に依頼すべきですか。
必ずしも分ける必要はありません。LLMOとSEOは、正確な情報を公開するという土台が共通しています。別々に依頼する場合は、サイトの改善方針が食い違わないよう、両者の役割分担を明確にしておきましょう。
LLMOの成果は、何で判断すればよいですか。
主要な生成AIで、自社がどう説明され、比較の質問で紹介されるか、どのサイトが引用されているかの変化を見ます。回答は変動するため、同じ条件で繰り返し確認した結果を比較することが大切です。あわせて、問い合わせや商談への影響も確認します。
LLMOの診断ツールのスコアだけで判断してよいですか。
スコアだけでの判断はおすすめしません。何を測ったスコアなのか、どんな条件で確認したのか、どんな限界があるのかを説明してもらい、実際の回答内容とあわせて確認してください。
小さな会社でもLLMOに取り組む意味はありますか。
あります。生成AIは、質問の条件に合う選択肢を幅広く探して回答するため、ニッチな条件では知名度が低い企業が紹介される可能性もあります。そのためにも、自社の強みや対象、提供条件をWeb上で読み取れる状態にしておくことが大切です。
出典・参考資料
- SEO 業者の利用を検討する(Google 検索セントラル)
- AI 機能とウェブサイト(Google 検索セントラル)
- Google 検索のスパムに関するポリシー(Google 検索セントラル)
- Overview of OpenAI Crawlers(OpenAI)
- The /llms.txt file(llms-txt)